はじめに

僕の好きな言葉に、「孤高の島国」というフレーズがある
僕が予備校のとき、日本史の先生が、江戸時代の日本を指して
喩えたフレーズだが、帝国主義という例外的な時代を除いて、
この国は、高度な精神文化と、豊かな自然に基づく豊かな暮らしをしてきた

僕らの住んでいる世界は、前近代のように、世界の流れと隔絶してやっていける時代ではないが、
国民として、いや、民族として、いや、やっぱり国民として
(この逡巡には、「日本」的なものが好きなほかの民族は受け入れたいし、「日本」的なものを軽蔑している日本人は拒みたい、という気持ちが働いている)、
「孤高の島国」の気概を持って、生きて生きたいと思う

その気概に根ざした外交、国際関係のあり方は、
外務省の人々にがんばってもらえば、可能なんじゃないかと思う

内閣法制局の人々だって、外務省のエリートさんだって、
「公僕」であることには変わりはないという意見だ)

少なくとも、米国におもねらず、東アジアの顔色をうかがわず、
日本人であることに誇りを持って生きていける国・社会を築いていければ、
と願ってやまない